機械的構造とレイアウトのページ

概要

脚ユニットは先の６足歩行ロボット（６Ｌ１）から、足先の形を変更して流用しました。 また、６Ｌ１は胴体を地面に接地することが出来なかったので、足を短くして接地できる ようにしました。これによって全ての足を同じ位相で動かす歩き方等が可能になり 歩き方のバリエーションが増えました。

構造材料

アルミ材と田宮のプラ板を使用しました。 ６Ｌ１が完成した後で考えた軽量化と補強のプランに沿い、アルミで作った方が 軽くなると思った足の付け根はアルミのアングルにしました。

フレーム

	フレーム 1mm厚のプラ板で作った中空の直方体です。箱の6面が閉じていて、 途中１カ所に仕切りが入っています。 「フレーム」の下には、「スキッド」と称している、引き込み式の車輪が入った箱があります。 車輪は、滑走歩行や通常歩行時に補助的に使用します。
	車輪の引き込みメカ 引き込み式車輪のメカニズムを写した写真です。車輪をマウントした板を、垂直から 傾ける動作をＲＣサーボで行っています。 車輪が出ていても、引っ込んでいてもサーボにはほとんど力がかからない構造のため、 「超小型」クラスのサーボを使用しています。
	胴体裏面 普段スキッド部分は、ふたが閉まっています。黒い部分は坂を上るときの滑り止め用 のスポンジゴム（発泡ゴム）です。 車輪としては「ミニ４駆」用のベアリングの入ったアルミ製のガイドローラー を使用しました。これは屋外には適しませんので、直径が40mm程度の ゴムタイヤを付けた物、車輪無しの文字通りのスキッド、動力つき車輪の 付いた物など別形式のスキッドも検討中です。

機械系の図面

４Ｌ１用に描いた図面です。全体的な検討は３Ｄ　ＣＡＤを使いましたが、製作用の図面は フリーの２Ｄ　ＣＡＤであるＪＷ−ＣＡＤを利用しました。２００２年現在ＪＷ−ＣＡＤの 入手は比較的容易に見えますので、画面のハードコピーに由来するｇｉｆの画像ファイルと共に ＣＡＤのファイルも置いておきます。（ｄｘｆファイルは互換性に難があるので使いません）

自分で作るために描いた製作メモのような図面ですので、いわゆる「機械の図面」としての 体裁を欠いてはいますが、「写真だけ」よりは分かり易くなると思いますのであえて公開します。

サムネールをクリックするとgifの画像を見られます。また、「ＣＡＤデータのダウンロード」 をクリックするとＪＷ−ＣＡＤ用のＣＡＤデータファイルをダウンロードできます。

	胴体下面に装備されている車輪の引き込みメカの図面です。２案描かれていますが、下の 図が採用したものです。 ＣＡＤデータのダウンロード
	足の付け根の寸法と、足の間隔の検討に使った図面です。 ４Ｌ１は足先の到達範囲が重ならないような配置となっています。 ＣＡＤデータのダウンロード
	甲羅の展開図です。甲羅は工作用紙で出来ていて、 アクリル塗料で塗装してあります。 ＣＡＤデータのダウンロード

脚ユニット

脚ユニットの鳥瞰図です。
（6L1の時に描いた図面なので実物と少し違っています）

サーボモーターの配置

脚ユニットを独立させ易いように、脚ユニット内部に設置してあります。 各関節に必要なトルクはそれぞれ違うのですが、関節構造の簡略化のため、 サーボ０と２はそれぞれ関節に直結しています。 サーボ１は、リンクを介して関節を動かします。レイアウト の都合、直結では、自重を支えるに足るトルクが無いためです。

• サーボの力を有効に利用する
  
• 構造強度に問題のある部分を強化する
  

• ２番サーボの先の部分を120mmから70mmに短縮しました。これによって 胴体を接地できるようになりました。同時に 「サーボのトルクの割に力の作用点が遠いので実際に使える動作角が 小さく、位置決め分解能も下がる」問題の解決も図れました。

• 足先の材料を堅いゴムから柔らかい発泡ゴムに変更しました。以前使用していた 足先は電気製品の滑り止め等に使われている物で、今回使用した足先は 発泡ゴムのゴルフボールです。ラジコンカー用のいわゆる「スポンジタイヤ」の材質と同じものです。 ６Ｌ１の足はグリップが悪かったのですがかなり改善されました。

• １番関節の軸を左右から２本のボルトで支えるタイプから、１本のシャフトを貫通させるタイプに 変更しました。これにより関節への負荷が減りました。また、改造を開始した時点で１番関節の 本体側の板厚を1mmから2mmに変更し強化しました。

• １番関節のリンク接続場所の周りを0.5mm厚のアルミ板で補強しました。

• １番関節のリンクを田宮のＲＣカー用の物から京商のＲＣヘリ用の物に代えました。

感想

この脚は、６Ｌ１の時にだいぶ３次元ＣＡＤで検討してから製作にかかりました。 幾何的には問題がないのであっさりと組み上がりましたが、実物を少し触ってみれば 分かる様な強度不足に気が付きませんでした。
こういった面を埋める良い設計支援システムがあったら良いなと思いました。